【短編】狼少女と先生と。
明日香side
「今日も来たの?」
「君がちゃんと授業に出るまで
毎日でも来るけど?」
「・・・ストーカー。」
「きっついねー。」
本当、こいつ何?
編入初日に庭園で会った教師。
あの日から事あるごとに
サボってると来る。
最初の頃は完全に無視してたけど
それでも話しかけてくるから
最近は一言二言だけ喋る。
「君、クラスメイトになんて
呼ばれてるか知ってるー?」
「・・・。」
「狼少女、だって。
ぴったりだよね、群れないし。」
「・・・他人なんて信用できない。
群れるってくだらない。」
「中学までもそんなんだったの?」
本当うるさいな。
会うたび会うたび、質問ばかり。
「あんた教師なんだから、
調べ付いてんでしょ?
そうよ。
私は昔っから群れなかった。」