【短編】狼少女と先生と。
空也side
やっと彼女に追いついた。
さっきの子たちは他の先生に連絡したから
大丈夫だろう。
しかし、彼女。
女の子への態度が普段と
全然違うじゃないか。
優しいお姉さんの顔だ。
彼女の顔つきからして
ミケは死んでしまっているのだろう。
「残念だけど、死んじゃ」
「大丈夫、生きてるよ。」
最後まで俺は言葉が出せなかった。
彼女に見事に肘打ちされたから。
「ほんとぅ!!!」
何言ってるんだ、彼女は。
どう見たって死んでるじゃないか。
「ちょっとミケちゃんは
痛くって、眠ったみたいだよ。」
「よかったぁ、生きてるんだ。」
「お姉ちゃんとこの先生に任せてくれる?
あなたはお部屋に帰って
保健の先生に治してもらってて。」
「うん、ありがとうお姉ちゃん!」