正しい恋愛。
「俺前々から思ってたんだけどミナミはさ、何でそんな不真面目な恋ばかりするんだよ」
カズはナフキンで口の上についている生クリームを拭きながら言った。
「不真面目な恋なんて…そんな恋したことないわよ」
失礼ね。
「してんだろ。高校の時は数学教師を好きになって、大学入ったばかりん時は婚約者がいる社会人に恋してただろ」
「先生はただの教師なだけだし、社会人の彼は結婚してないからセーフよ」
法律上まだ手を出してはいけない人にじゃないもん。
「先生と生徒はダメだろ!あと決まった相手がいるんだからアウトだろっ」
「そうかなぁ…」
ギリギリセーフだと思うんだけどな。
「で?次は浮気野郎かよ」
「だって…好きになっちゃったんだもん」
「…ミナミの好きは本当に好きなのかよ」
カズの言葉にカップに口をつけようとしたが止まる。
そして、カップをテーブルの上に置くと目の前にいるカズを見た。
「…なんでそんなこと言うの?」
「お前はただ2番目が好きなんじゃねぇの?」
「そんなことないっ!」
「ミナミ…」