カタオモイからはじまる恋

何分待ったんだろう…

観覧車のチケットとにらめっこ
してる自分はかわいそうな人だ。

鞄からメモ帳をとる。

デートでやりたいこと

1.手を繋ぐ
2.腕をくむ
3.一緒に甘いパフェを食べる
4.観覧車の1番でキスする

この続き...

5.一緒にいっぱい写真を撮る
6.お揃いの何かを買う
7.笑顔で1日を過ごす。
8.
9.
10.

8.9.10は思い付かなかった。

デートでやりたいこと…
一個しか果たせなかったよ。

キスとか甘いパフェとかお揃いの物とか
もうどうでもいいよ。

笑顔で1日を過ごしたかった。

笑顔で…
あー、なんでだろう。
視界が歪んでみえる。

涙腺がおかしい。

「あのー」

後ろの人に声かけられる
焦って後ろを振り向く。

「前進まないんですか?」

「あっ!ごめんなさい!」

ボーッとしてたら前に進むことを
忘れていた。

あと3組で夢の観覧車に乗れる。



小さい頃から夢見てた。

好きな人と観覧車に乗ったら
その人と結ばれるんだ。

そんな馬鹿げたことを夢見てた。

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