カタオモイからはじまる恋
「だから勘違いすんな」
「ありがとう」
嫌な気持ちなんて
どこかへ飛んでいった。
「あ」
「ん?」
「向こうで花火大会やってる」
「嘘ー!どこどこ?」
悠稀の隣に座って花火を探す。
「あそこだよ。見えねーのかよ」
「あったーーーー!悠稀綺麗だね!」
横を向いたらすぐ近くに
悠稀の顔があった。
唇が触れるか触れないかぐらい近い
悠稀と目が合ってドキッとしてしまった
悠稀はすぐに目を逸らして
また花火の方を見始めた。
あたしは固まったまま、
悠稀の横顔を見る。
「今日はごめん。」
花火を見ながら謝ったのは
あたしじゃなくて、悠稀。
「なんで謝るの?」
「ひどいことしちまったから」
「いいよ!悠稀の言う通りキモいことを書いたあたしが悪かったし。」
メモ帳を取り出す。
「本当、キモいよね」
「メイのそんなとこ嫌いじゃない。」
…嫌いじゃない??
「ね、もう一回言って!」
「は?何回も言わせんな」
「あたしのこと嫌いじゃないんだ〜」
嬉しいあまりニヤけてしまった。
「キモい」
今悠稀にひどいこと言われたって
ダメージ0。