カタオモイからはじまる恋

「あたしもなんやかんや、悠稀のことは嫌いじゃない。」

ムカつくけど、嫌いじゃない。

「好きなんだろ」

笑顔で言う悠稀。

好き、スキ、す、すき、かもしれない

「何黙ってんだよ」

「す、」

「す?」

「すーー」

「早く言え」

イライラし始めた悠稀…
やっぱり好きなんて言えない。

って何考えてんだ自分!

「スキー行きたいね!」

「は?」

「忘れてください。」

怒られると思って
怖くて目を閉じる。

「冬…一緒に行こうな」

こんな優しい悠稀を見たことない。

びっくりして目をパチパチさせる。

「そんなに俺を見てねーで夜景見ろよ。ってもう降りるけど…」

「え、早い!もう一回乗ろう!」

「またいつかな」

そのいつかが本当に来て欲しい。
そう願った。


観覧車を降りると
爽翔とハルちゃんがいた。









現実に戻った。

そんな気がした。

< 128 / 161 >

この作品をシェア

pagetop