カタオモイからはじまる恋
「怒ってる」
「ですよね」
怒ってるのに抱きしめてるの?
怒ってるから抱きしめてるの?
どっち
「悠稀のこと好き?」
その声は弱々しくて苦しそうだった。
「悠稀に見せてた笑顔……俺も見たことない笑顔だった。」
「わからない。自分でもわからないの。」
“悠稀のこと好きじゃない”
なんて言えなかった。
「ごめん。でも、俺はメイを悠稀に渡さないから。」
そう言ってあたしの頬に
爽翔の唇が触れる。
爽翔のことは好き。
好きなのに何かが違うんだ。