カタオモイからはじまる恋

「怒ってる」

「ですよね」

怒ってるのに抱きしめてるの?

怒ってるから抱きしめてるの?

どっち

「悠稀のこと好き?」

その声は弱々しくて苦しそうだった。

「悠稀に見せてた笑顔……俺も見たことない笑顔だった。」

「わからない。自分でもわからないの。」

“悠稀のこと好きじゃない”

なんて言えなかった。


「ごめん。でも、俺はメイを悠稀に渡さないから。」

そう言ってあたしの頬に
爽翔の唇が触れる。





爽翔のことは好き。



好きなのに何かが違うんだ。






< 130 / 161 >

この作品をシェア

pagetop