カタオモイからはじまる恋
「お邪魔しまーす♪」
突然ご機嫌の雪が部屋に入る。
その途端少し不機嫌になる悠稀。
「お邪魔しますー」
雪に続いて入ってきたのは遥ちゃん。
「まだこいつに勉強教えないといけないんだけど…」
低いトーンで言う悠稀とは対照に
「え、来てあげたのに帰れと?ひっどーい」
明らかに変なテンションの雪。
もしや…お菓子作りしたのか?
「メイちゃん! ケーキ作ったけど、食べない?」
ハルちゃんがあたしの腕を掴んで可愛く言う。
あたしがもし男の子だったら
ノックダウンだ。
「宿題がまだ残ってるし…」
「じゃ、俺と遥でチョコケーキ美味しく頂きまーす」
え、チョコケーキ?
チョコレート?
「あたしも美味しく頂きたいです!」
チョコに負けました。
恐る恐る悠稀の方を見る、、
「行け。休憩欲しいだろ?俺はここで寝てるから」
「あ、ありがとうございます!!」
「行こっか♪」
あたしの手を握って部屋を出る雪。
あたしより年下のはずなのに
あたしより身長高くて、
きっとあたしより頭良くて、
あたしよりもしっかりしてるんだろうな
「ハルちゃんはこないの?」
リビングに着いてハルちゃんが来てないないことに今気付いた。
「悠稀んとこじゃない? 一応なんかカップルだし…いや、あいつらの関係わかんないわ」
カップル?なんだろう。あの2人。
そんなこと考えていたら
「食べないの?」
チョコケーキと共に牛乳が出されていた事に気付かなかった。