カタオモイからはじまる恋

雪は摘むのをやめて頬に手を優しく添える。

摘まれていた所為か頬が熱い。
そんな頬にひんやりしてる雪の手。

「もうそろそろ恥ずかしいんだけど」

「…」

なんも返事しない雪は
ただただあたしを真っ直ぐ見つめる


「なにしてんの」

2人揃って声のした方を向く。

もう頬には雪の手のひらがないからまた頬が熱くなる。

「浮気か?」

「何、お兄ちゃん妬いてんの?」

悠稀を挑発する雪。
そんな状況に何もできないあたし。

「は?」

「安心して?メイちゃんの頬を冷やしてただけだから」

と言ってリビングを出ようする雪を悠稀が腕を掴んで止める。

お互い口が少し動いてるが
会話の内容は全く聞こえない。

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