カタオモイからはじまる恋
「あーもう帰る時間だ!よし!帰ろう」
「どこの時計を見て言ってんだよ」
バカなあたしは腕時計していないのに
腕を見てしまったのだ。
そりゃー、悠稀はあきれるわ。
「た、体内時計?」
「は? って雪!」
くだらないやりとりをしている私たちを見て雪は逃げてった。
リビングに残ったのは
苛立ちを隠せない悠稀と
とても気まずいあたし。
「来い」
「ん?」
「まだ宿題残ってるけど」
ワスレテタ。
口ポカーンのあたしを無視して
自分の部屋に戻る悠稀。
なんか、休憩時間なかった気がするのはあたしだけでしようか。
疲れ切って地面に座り込む。
「疲れたー」
この後、何が起こるかもわからずこんな呑気にしているあたしを殴りたくなる出来事が起きるのだ。
ーガチャ
家のドアが開く。
「わぁ〜久しぶりの爽ちんHOUSE♪」
「前は毎日のように菜々来てたもんな」
知らない女の声と一緒に
バイトのはずの爽翔の声がした。