カタオモイからはじまる恋
「メイー」

「んーっ!!!!」

嘘。

○7:12○

嘘だ。夢だ。

「メイー遅刻よー」

嘘嘘嘘。頬を思いっきり引っ張る。

「うそー。ママもっと早く起こしてよ!!もう!」

急いで制服を着て走って洗面所に向かう。

寝癖直してる場合じゃない。クシだけ通してポニーテールする。ハミガキしておし!バッチリ!

鏡にグッポーズする。いやいや、これしてる場合じゃない!

昨日カバンの準備したのが唯一の救い

「ママ行ってきまーす」

「あら、朝ごはんは?」

「んな時間ないからいいよ!大丈夫」

そう言って家を出る。



頑張ったからきっと間に合う。

ーーーーーーー

「こらー夏休み明け初日から遅刻か?」

と満面の笑みで保険の先生が言う。

「もうアウトですか?」

「アウト」

「頑張って走ったのに」

「仕事手伝ってくれたら、遅刻なしにしてあげるけど…」

え、遅刻なし?なし?なし?

「そんなのできるの?」

「任せて」

あんな笑顔で言われたら任せちゃう。って、本当に大丈夫かな。

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