カタオモイからはじまる恋
図書館は学校から歩いて行って5分くらいの所にある。
1回行ったことあったけど、
うるさくしちゃって追い出された
思い出がある。
あれ以来行ってない。
「久しぶりに来た」
「あの事件以来だね(笑)」
笑いながら言う瑆くん。
「なんで知ってるの?」
「カイラから恥ずかしかったって聞いた」
「カイラめーっ」
カイラから貰ったネックレスを強く握る。
「それに、噂になったしね」
うそ。嘘でしよ?噂に?
あたしが追い出されってこと?
恥かしい。
「やっぱりあたし帰ろうかな」
「ここまで来て何言ってんの?入るよ」
手を引っ張られそのまま図書館に入る。
てか、手…手、手ええええええ。
熱い。なんか変な汗がでる。
「瑆遅い」
恥ずかしくて下を向いていたあたしは
この声を聞いて咄嗟に顔を上げた。
やっぱり。
この声の持ち主は悠稀だった。