カタオモイからはじまる恋
「あたしが悠稀じゃなくて、優しくてかっこいいお兄ちゃんを好きになったから。醜い嫉妬ってやつ?」
「自意識過剰すぎて、お前本当にイタイ奴だな」
何よ。その顔。くーー、血が頭のぼるってこう言うことか!!!
「とにかくあたしは悠稀みたいな人タイプじゃないし!すごい嫌い!大っ嫌い!」
「例えば?どこが嫌いなの?」
え…そこ?そこなの?
「例えば……その自信溢れてる感じ。頭いいからって人を見下す感じも嫌、かっこいいからって、」
「本当に俺の事嫌い?」
寂しそうな顔して近づいてくる。
騙されるな〜騙されるな〜
そう考えてるうちに壁に背中が当たる。
逃げ場をなくした。絶望。
「そんなに俺の事嫌いなのか?」
悠稀の手が顔の横に…
これは若者の言う『壁ドン』ってやつなんだろう。
ってそれはどうでもいい。
「近い」
「だから、答えろ。俺の事嫌いか?好きか?」
顔が近すぎ顔なんてみれない。