カタオモイからはじまる恋
「嫌い」
「俺の顔見て言えよ」
は?誰がこの近距離で顔見れるっちゅうねん!
「嫌いって言ったんだから早く離れてよ」
「顔見て言え」
顔が近いからなのか、心臓の鼓動が速い。爆発寸前です。
でも、顔見ないと…
顔をあげて、ゴクン
「嫌い」
「ふっ」
顔と顔の距離が縮まる。
だめだ、参りました。
目を瞑る。
あれ?キスされてない。
そっと目を開けると
満面の笑みの悠稀がいた。
でも、その笑みはすぐ消えて
いつもの冷たい顔になっていた。
「キスをするとでも?期待裏切ってごめんね。でも俺、お前のこと眼中にないから」
「最低」
ソファーに置いってあった自分の荷物を手にとってドアに向かう。
ドアの前で止まって振り返らず
「翔子さんと爽翔さんに今日は本当にありがとうございました!って伝えて」
って言い残して帰ろうとしたら
悠稀に手を掴まれた、
「もう2度と来んな」
謝ると思いきや、これ。
本当に最低。私のトキメキを返して
「言われなくても、もう来ませんから」
ドアを開けると、目の前にはカイラがいた。