カタオモイからはじまる恋

「なー、俺も入っていい?」

「え、あ、うん!どーぞ!」

小さな家に爽翔さんが入る。

「相変わらず天井に落書きがたくさんだね」

笑ながら、懐かしそうに落書きを見る爽翔さんの横顔に見惚れる。

本当にかっこいいな…王子様や。

「あ、これ…遥ちゃんの落書きだ」

ハルちゃん?

「悠稀?」

「メイの知らない人だよ。まー、名前は遥姫なんだけどね!幼馴染みなんだよ」

「へー、どういう人なの?」

少し考え込む爽翔さん。

「小柄で正義感の強い可愛らしい女の子。何年かはもうあってないけど、きっとあのまんまだと思う。」

落書きをみていろいろ思い出してるんだろうな〜

「もう会わないの?」

「今スペインなんだよ。でも、2週間後に日本に戻ってくるからその時メイに紹介する!」

満面の笑みの爽翔さん。
笑った時にできるエクボが可愛らしい。

「うん!」


「お家に帰るか」

優しさの塊だ。

車でお家まで送ってくれて、
忘れ物もちゃんと渡してくれて、
感謝でいっぱいです。




2週間後には、遥姫ちゃんと会うんだ。


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