俺のこと好きになるの禁止だから!!
うぅ……難しいよぉ……。
絶対難しいよぉ。
「おい」
…あれ。
声が聞こえる。
「おい…」
ん?
隣にいる作田君が声をかける。
「ここ、どーやって解くんだ…?」
「わ、わかんないよ」
「だよなぁ…」
もう一人の赤点者ってのはF組の男子の作田君って人だった。
「くっそ~、早く部活行きたいのに!!」
作田君はテニス部の1年で、日差しが強い日中に活動をしているためか、肌は真っ黒だ。
鼻が高く、眼が大きいため東南アジア系の美男子に見えた。
「うぅ…わかんね~」
どうも、私と同じくらい数学がダメみたい。
「作田!お前そんなことじゃ、大会に行けないぞ?」
先生が作田君に声をかける。
「俺、テニス行っていいですか?」
「それが終わったらな。」
そうだ、私も人のこと言えない。
ヒカリとツバサが演劇の練習のために待ってるんだ。
早く終わらせなきゃだね。
しっかし、どうしよ……
「秋野?手が止まってるぞ?教えてほしいのか?」
先生が言う。
「わかりますよ!?」
つい口から出る出まかせ。
「そうか…頑張れよ。」
うぅ…
正直に、聞くべきだった。
ここ、整理するんだったような気がするけど…
………あれ?
これってツバサと勉強してたやつと一緒…?
よし、ツバサを信じてやってみよう。