俺のこと好きになるの禁止だから!!
あーあーうん。
あえいうえおあお×5回
から始める発声練習。
「その調子で頑張れよ」
「う、うん…。」
そう言うと、
足を組み椅子に座りながら
ツバサは黙って台本を見ている。
練習しないのかな?
私は一生懸命に練習をしているのに。
「唯ちゃん次行ってみよ~」
「わかった!ヒカリ!…かけきくけこかこ…」
…うん、だいぶ慣れてきた!!
あっという間に発声練習を終えた。
「汗…すごいよ!」
ヒカリに言われて気が付いたら、汗でびっちょり。
「わ!?なんだこれ!?」
「んじゃ休憩だな。倒れても困るしな。」
と、ツバサは自分のカバンからスポーツドリンクを取り出した。
「やるよ」
ぽいっと投げたペットボトルは宙を舞い私のところに
おっととおとと…
…ふぅ。
「お礼は?」
「…ありがと」
それを見てたヒカリ。
「な~に?アンタ急に唯にやさしくなっちゃって~」
ヒカリがからかう。
「そんなんじゃねーよ。」