俺のこと好きになるの禁止だから!!
と何にも考えずに返事をしてみたものの…
…いいんだろうか?
う~ん…?
ま、いっか!
作田君のことだしね。
「林さん!頑張ってね!作田君とうまくいくといいねッ!!」
林さんは可愛くにこっと笑いながら返す。
「ありがとう!!」
恋…か。
恋ってこんなに人を動かすんだね…。
叶うといいな。
「あっそうだっ!」
何やら写真を一枚手にしている様子。
「これ、お詫びに…」
これ…って
「先週の土曜日実はあなたと彼のデート姿を見つけて撮ったの」
それはツバサとの初デート写真。
「最初、誠一郎とも付き合ってこの人とも付き合って…ってひどい女だなって思ってたの」
「ははは…」
写真を見てみると…
ツバサ本当に絵になってるな…
手をつなぎながら顔を赤らめている私と、笑顔で優しく私の方を見ているツバサの2人の写真だった。
「…今日はごめんね。秋野さん。私、誠一郎のこと考えるともう胸がいっぱいで…。」
「いいよ!」
「これあげるねっ!」
…そう言うと林さんは写真を手渡した。
「私の事、許してね。誠一郎とうまく行ったら教えに来るよ!」
林さんはそう言うと私の前から去って行った。
ばいばい林さん。
報告は…いらないや。
林さんは
さっきまでの怒りが嘘のように軽い足取りで帰っていった。