俺のこと好きになるの禁止だから!!
──ガラガラガラッ──
担任の雪村先生が入ってきて、まずは夏休みの宿題を配布した。
国語に数学、英語と、3教科の課題帳が渡される。
「クラス委員、ちょっと手伝って」
と言われ、クラス委員の2人が配布を手伝っていた。
夏休みの課題に悲鳴が上がる中、私は課題を頑張ろうなどと思いながら配布された課題帳に名前を書いた。そして、
「え~、みなさん。文化祭の出し物なのですが、」
文化祭の演劇について話し合いが始まった。
劇のタイトルの確認とあらかじめ決まっている配役決めだけだから順調に進むかの様に思っていた。
来た、来たよ。
ヒカリと一緒に主役をやりたいって手を挙げるんだ。
でも、主役はヒカリなんだろうな。
だって、ヒカリもともと演劇部だったし綺麗だもん。
なんでだろう。私には関係ないことなはずなのに、胸がドキドキする。
と、思っていると先生が意外なことを口にする。
「A組が予定していた『リア王』ですが、E組が演じることになったため中止となりました。」
『え~!?』
何人か、予習していたのだろうか?残念そうな声が聞こえる。
「代わりにだ、A組のお題は言わずと知れた恋物語『ロミオとジュリエット』に決まりました。」
オォォォ!!
パチパチパチ
雪村先生がそう言うと拍手が舞いおこった。
恋物語かぁ…。
わかりやすいな。
じゃあ、ヒロインはヒカリで決まりだな。だって可愛いもん。
「だけどな、…」
続けて先生が言った
「だけど…?」