俺のこと好きになるの禁止だから!!
これって…
……う………そ……
ついてるってことなのかな?
『唯、おまえは正直でないだけだ』
なぜかそう言うツバサの顔が浮かんだ。
その瞬間、私の頬には涙が伝った。
「い、いそげ~っ」
幸い慌てる出口さんに私の顔は見えていない。
私も…私も好きなのってどれだけ言えたら楽だったか。
そう知ってる。
今は、こんなこと考えている場合じゃない。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
「ま、間に合った~!!」
私たちは互いの健闘を喜び合った。
「やばい……私最高記録かも…ハァ…ハァっ…」
「私も…っ…」
胸に手を当て呼吸を整える。
「ぶ、無事に乗れてよかったね。」
「ハァ……ハァ…。」
そして私たちはそれぞれの家へと向かっていった。