俺のこと好きになるの禁止だから!!
───次は───
車内アナウンスが流れ周囲にいた人もその声に反応する。
「じゃあ唯。私、そろそろ降りるね。」
「うん、また…」
ヒカリはゆっくり立ち上がると自動ドアの方を見つめた。
「頑張れよ!唯。」
「…うん。」
壁際から伝わる地面の下にある車輪とレールが織りなすテンポ良いリズムがゆっくりと私を揺らす。
コトン…コトン…
リズムが止まった。
気のせいかな。
ヒカリの背中が、悲しそうに笑っている気がした。
「ありがと」
「………じゃあね。」
ヒカリ。
ありがとう。
ヒカリが困ったときは私は、全力で助けるから……
プシュ……
電車の扉が閉まる。
ヒカリが手を振る間に、私を乗せた電車は駅を出発した。