俺のこと好きになるの禁止だから!!
Stage5*パンが290円

インパルス




今日はヒカリも、出口さんもいない。




久ぶりに会ったツバサと2人っきりで教室で特訓。



私としては嬉しさや照れも含んでいるんだけど



外の天気は、私の気持ちとは全く逆の曇り空。




夏だということもあってか今日はひどく蒸し暑い日だった。




「俺、ちょっと準備するな」



そう言いケータイを触るツバサ。




ヒカリもいないし、2人だけだからドキドキ緊張して練習にならないかも?



どうしよう!?



…ってなるハズだった。



「あ~~~!?」



私はあることに気がつき、あわてて自分の机から立ち上がった。




ガタン───




「お、お弁当忘れたよぉ~~~」




ガッシャン───



勢いよく、倒れこむ私の椅子。



ケータイをいじりながら、私を見つめるツバサ。



「…お前、相変わらずバカだな。」



「だ、だってお腹すくじゃん!!」



私は久しぶりにツバサに会えて嬉しかったのに最悪だよぉ。



「仕方ない奴だな。じゃあ一緒に弁当でも買いに行くか?」



「え?いいの?やった~!」



「な、なんだよ。弁当買いに行くだけで」



私が喜ぶと、なんだか困った顔をして答えた。



「だってツバサ。学校で私が話しかけると照れるじゃん!」



「バカ!照れてねぇし。」



「へへへ」



「…照れてねェかんな!!」

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