俺のこと好きになるの禁止だから!!




買い物を終え、外に出てみると傘を持ったツバサが待っていた。




「いや~!お待たせ~」




右手に持った袋を、見せながら私はツバサのそばに寄った。




「…雨降りそうだな…」




「ほんとだ……」




空を眺めると一段と色が濃くなっている雲に目がいった。




「降るかな?」



「たぶんな。急ぐぞ!」



ツバサがそそくさと歩き出す。



「ま、待ってよ~」




しばらくすると、ぽつぽつと雨が降ってきた。




「あぁ!?……降ってきたよ~。」



もう、濡れて帰るしかない…



そして、手に持っていたパンは…あきらめるしかなかった。



そんな時、



「ふぅ…」



ツバサが、手にしていた傘を広げ私に手招きをする。




「いいの?」




「…」




「ホントにいいの?」
「ホントに!?」




「早くしろ!濡れちまうだろ。」




ツバサは困ったやつだなって言ってたけど、本当は優しく笑ってたんだ。




「…お前、バカだな…。」



そう言って躊躇する私を引き寄せた。


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