俺のこと好きになるの禁止だから!!
「な!?ツ、ツバサ!?」
何も言わないツバサ。
ただ、前だけを見ていた。
「ツバサ…あ、ありがと。」
言葉を選びきれない私に
「…心配だからな。」
などと、まっすぐこちらを見て言う彼。
「ツバサ…」
「か、勘違いすんじゃねぇぞ。俺は240円のパンが濡れちまうのが心配なんだ。」
と、私の手を引く。
だいじょうぶだよ。
…勘違いしてないよ?
「だいたいお前な!パンが290円だなんて・・・」
今キミが語っている言葉はどうでもイイ話だって分かってる。
「お前は、だいたい・・・」
私の方を見ないのは見ないんじゃなくて見れないんでしょ?
「だから・・・なんだぞ!」
ずっと握っているキミの左手。
あったかいよ。
「聞いているのか?」
私は、フッと笑って手を離した。
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