俺のこと好きになるの禁止だから!!
「んまぁ、それだけなんだけどね」
ヒカリ、笑ってるけど辛いんだろうな。
笑みがお面のように見える。
「それよりさ~唯の悩みってなんだ~?!」
いや、気のせいか。
『ブルルルルブルルルル』
あ、メールだ。
ケータイを見ると、ツバサからのものだった。
『さっき出口に告られた。教室にはいけねーから俺、屋上でぶらついてる。黒川に出口がいなくなったら教えてくれって言っといて。』
「…ったく!」
なんでそんなことを私にメールしてくるかなぁ~。
私は呆れながらも、何だか嬉しかった。
友達がフラれたっていうのにこんなことを思うなんて最悪だ。
「誰から?」
私はツバサに言われたように、ヒカリにメールの内容を伝えた。
「わかった」
「ん~。出口さん教室に来るかな?」
「唯ちゃん。みずほが来ても、『乙女クラッシャー』からのメールの内容は知らんぷりしてるんだよ?」
「え?あ、うん。」
それにしてもそわそわする。
どんな顔して出口さんに会えばいいんだろう。
そーだ。
私は屋上に行ってたほうがいいんじゃないかな?
ここにいてもヒカリみたいに役に立てないし。
どっちにしろここには居辛い。
カバンにケータイをしまい、教室を出た。
「ごめん、ちょっと外に行ってくる。」
「あっ、ちょっと~」
───私は気がつかなかった。
屋上に行く姿を見られていたことに。