俺のこと好きになるの禁止だから!!
重い足で教室に行く───
「あ……」
教室の空いた戸から
すっかり気落ちしたヒカリの姿が映った。
「ヒカリ…大丈夫?」
「うん…」
元気ないね?
無理ないか、友達がフラれたんだもの。
「そーいや、出口さんは来たの?」
「…うん…」
呼吸しているのかと疑ってしまうほどの細い返事。
「ごめん。一人にして…」
「ううん」
と笑うヒカリを見ていると胸がズキズキする。
「良くないよ。ヒカリ元気ないじゃん。」
「うん。でも、唯ちゃんはいなくてよかったかもね…」
い、いなくてよかったってどういうこと。
「ねぇ?唯ちゃん。」
「な、何?」
「………スキ、なんでしょ?」
……は?
「え?な、なんのこと?」
この人はいきなり何を……
「彼のことが好きなんでしょ?」
そういいながら迫ってくるヒカリを見ていると、
妙に胸が詰まった。
どうしたんだろう。
なんて考えてるうちにヒカリは顔を近づけてくる。