俺のこと好きになるの禁止だから!!
私はヒカリの負けない心を尊敬する。
「唯!手厳しいぞ~」
そういう彼女の言葉も信じられる。
「よ~し、どんとこ~い!!」
ヒカリが私の目を真っ直ぐに見る。
「…ど、どしたの…唯?ね、熱でもあるの?
いつもは『そんなぁ~』とか、言うのに」
「ふっ、ふっ、ふ。私だって変われるんだから!」
「お~?唯のくせにナマイキだぞ~」
そう言って頬をつねる。
「いでででで。」
私は変のかな?
こんな何でもない瞬間が『好き』だった。
しかし、彼女は知らない。
私が、こんなことを考えているなんて。
「じゃあ、やる気なしの唯さんに戻る前に練習しますか!」
「私そんな態度とってたっけ!?」
「そうじゃん!『勘弁して~』って泣いてるよ。」
うぅ…考えてみると…
心当たりがありすぎる。
「きょ、今日から頑張るってころで…」
「大丈夫!特に今日は”優しく”してあげるから!!」
「ハッっ!?」
“優しく”ってときににやりとしたヒカリ。
ウソじゃん。
その目は…”鍛えるぞ~”って言っている。
「どしたの?怖気づいた?」
「う…、が、頑張ります。」
「そうだね、もうじき後期補習も始まるから頑張らないとね。」