俺のこと好きになるの禁止だから!!
「じゅ、準備ってもう衣装もばっちりだよ?」
「ちげぇ~よ。キモチだよ。キモチが入ってるかってこと!!」
あ…確かにそうかも。
「まぁ…大丈夫…だよ」
「ツバサは女の子の気持ちになりきれてるの?」
「なりきれてるわよ!」
そう返すツバサの顔が少し照れていた。
「へ〜…神野が女子と仲良くしてるのって珍しいな?」
と、クラスの男子。
それは……まぁ、そうかもだけど…。
「うるせぇ。練習したんだよ!!」
と返すツバサ。
あーあ。このやり取りも今日が終わったらおしまいなんだよね。
ツバサの方から付き合えって言ってくれたら、本当のカップルになれるのに。
そんな思いは一時心の奥へと仕舞い込んだ。
あのね、ツバサ…
「んー?」
「…あとで話があるの…」
私はこれが終わったらすべてを話す。
どんどんどんどん好きになってたこと。
全部。
「───ってことだからよろしく。」