俺のこと好きになるの禁止だから!!



「唯ちゃん出番だよ!」



「え?で、でも…」



「早く!!」




出口さんの大声も気になったけど
集中しなくちゃ。




ガタン。今にも舞台へと上がりそうな出口さんをヒカリが静止する。




会場にどよめきが立つ。




パチン!!



鈍い音が聞こえたかと思うと、倒れこむヒカリの姿。
数人の先生たちがヒカリと出口さんのほうへと駆け寄っていき出口さんが連れ出される。




私は、ただその様子を見ているしかなかった。



呆然と見ている私に、先生からのGOサイン。




―それでは1年A組の作品「ロミオとジュリエットです」―



淡々と響き渡る会場アナウンス。




こんな中で演技だなんて…。




「ロミオ・・・」



そう言ってツバサが私の肩を抱く。



「ロミオになりきれ。冷徹で残忍な男になりきれ。…アイツは大丈夫だから。」



うつむいて黙っている私に続けて言う。



「俺が全部かぶってやるからな!」



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