俺のこと好きになるの禁止だから!!
出だしにハプニングはあったものの演技は順調に進んでいった。
「…ヒカリ、ほっぺ大丈夫?」
「へへへ平気!」
「なんで出口さんあんなに怒ってたんだろうね?」
下を向き笑いながら答えるヒカリ。
「さぁ?」
「ジュリエットと神父のシーン。来たよ!ヒカリ早く!」
そう呼ばれヒカリが走っていく。
ツバサとヒカリが舞台に立っていた。
「それにしても上手いね神野君に黒川さん。」
クラスの音声役の村田さんからも声が聞こえる。
それ、私が下手みたいな言い方だけど
正直私もそう思う。
二人とも私の演劇の師匠だもん。
「最初はやっぱり出オチで滑ってて心配だったけど、二人とも上手すぎない!?めちゃくちゃキレいいもん」
分かっていることだけど、二人が褒められているところを見ると嬉しい。
私も頑張らなきゃ!
そう言いかけた時…
「唯ちゃん、出番だよ!」
声がかかった。
「よし!行くか!!」
不安がないわけじゃない
だけど気持ちは負けてられない。
私は、自信満々で再びステージへとかけ上がっていった。