俺のこと好きになるの禁止だから!!
補習の宣告
「授業!終わったー。」
「あ~眠い~」
「よっっっっしゃ~」
高校1年生の7月。
明日から待ちに待った夏休みがやってくる。
とは言っても、最初の5日間は補習授業があるんだけど。
初めての成績表も返され、授業も終わった。
そんな緊張感からの解放がみんなの気持ちを盛り上げていた。
ただし、一人を除いて。
ドクンドクン───
「…秋野 唯…。」
何度も名前を見直しても、それは変化するはずもなく、
「……唯ちゃん、大丈夫?」
友達のヒカリからの励ましもろくに聞こえてはいなかった。
―──数学は苦手だけど最初のテストだから大丈夫だよ!―──
数日前に、ヒカリに言った言葉を後悔している……
「……29点………」
あ、赤点だあぁぁぁ!!!!
成績がこの点数だから…私の夏休みが追加補習で潰れるじゃん!!
…もう、泣くしかないです。