俺のこと好きになるの禁止だから!!
「よし、演技のためだ!お前ら、付き合え!そうだな20日間ぐらいでいいぞ!」
「……えぇ!?」
何、なんでそんな事になったの?
そんなの『うん』って言えるわけないでしょ?
「お前たちにとっては演技の勉強をするための先生からの『特別課題』だな」
何?
特別課題って何?
「わかりました。先生がそういうのなら俺、こんな女でも付き合います」
「…はぁ!?」
こんな女って!?
神野君って一生懸命で、意外といい人なんだって思っていたけど前言撤回最悪!!
「わ、私は無理です」
「なんで?」
神野君が不思議そうに言う。頭おかしいんじゃないのコイツ。
「な、なんでって私、男の子とつ、付き合ったことなんてないし…。」
「…はぁ!?お前付き合ったことないの?しかたない、俺が手取り足取り教えてやる。」
「うん、神野、その意気だな!これで演技もばっちりだろう!わっはっは」
先生、アンタは黙って!
「ダメ、ダメだって私は、赤点女で補習とかで勉強で忙しいから」
つい、秘密にしていたことを口走ってしまった。
「大丈夫、大丈夫!『彼氏』が教えてくれるさ」
「…え”!?」
担任にそう言われ困惑する私に、
「…教えようか?どうする?俺は厳しいぞ。」
嫌そうな顔をしながら尋ねてくる神野君。
…私、女嫌いの神野君と会話してるんだ。
じっと見つめる彼のその瞳に、今にでも吸い込まれそうな気がして私の口は動くことを止めてましまった。
「ま、秋野にとっては神野が勉強を教えてくれるし、演技も練習できるしってことで解決じゃないか?」
べ、勉強を教えるのは先生の仕事でしょ?
仕事放棄だ、ホーキ。
「いやぁ、いい『彼氏』を持って幸せだなぁ秋野は。わっはっは」
「そ、そんなぁ…」
…結局、断れきれず私は無理やりに神野君に勉強を教えてもらうことになったんだ。