俺のこと好きになるの禁止だから!!
職員室から出るとそこにはヒカリがいた。
帰っていいよって言ってたのに待っててくれたなんて。
「ヒカリィ~、ありがと~~~」
「唯ちゃん、面白そうなことになってるね〜」
今の様子をヒカリに見られてたみたい。
もうっ。
面白いわけないよ。
「『彼氏持ち』かぁ~、唯ちゃん成長したね~」
からかい半分で楽しそうに私のほほを指でつんつんするヒカリ。
「もう、からかわないで!」
「あはは、ごめんごめん。」
「ところでこれからどうするの?」
これからのプランは夏休みが最初の1週間は図書室で神野君と勉強会。それから夏休み補習に『ロミオとジュリエット』の演劇練習だ。
「あれ?『特別課題』は?」
と、面白そうに聞くヒカリ。
冗談でしょ?
からかってるんだよ。
雪村先生も、神野君も。
本気なはずないよ!
「でもまぁ、今から神野君と勉強会なんだ。」
「唯ちゃん、頑張ってね!『彼氏』によろしく!」
「もう!」
新しいおもちゃを手に入れた子どものように嬉しそうなヒカリ。
そんなヒカリは置いといて、それより、早く行かないと!!
神野君待たせてるんだ。図書室に。
「わ、私、行くから、一緒に帰れなくてごめんねヒカリ~」
「ほ~い。じゃ、私は先に帰ってるからね~」
ヒカリに見送られ私は廊下を走って図書室へ向かった。