俺のこと好きになるの禁止だから!!
「───これで朝礼を終わります。起立、礼っ」
クラス委員の声が響き渡り、みんなが次の時間の準備をし始める。
「唯ちゃん、唯ちゃん」
ヒカリが指でトントンと肩をたたきながら私に話しかける。
「そんなもん書いてないで、謝るなら早い方がいいよ。」
そう言うと神野君の方に視線を送った。
神野君はこっちに気が付いたのかまっすぐ私の方を見ている。
「うぅぅ…ヒカリ…」
謝るかぁ…怖いなぁ…。
「何してるの!シャキッとしなよ!アイツも鬼じゃないんだから!頑張れ!」
「うん。頑張ってくるよ。」
ヒカリの励ましに、腰を据えた私は神野君に謝りに行く。
せっかく勉強も演劇も頑張ろうと決めたのに一日であきらめちゃうってのはダメだよね。
「行ってくるよ!ヒカリ!ありがと!」
「ほ~い。行ってら~」
いつものようにやる気のない返事をするヒカリに見送られながら私は神野君の元に行った。