俺のこと好きになるの禁止だから!!
「だけど、俺からも条件がある!」
条件って。
「何?」
「お前、俺のこと好きになるなよ。」
なんだそりゃ。
「20日だけだもん。好きになるわけないじゃん!」
「そうだな…。」
こうして私たちの『契約』は成立した。
私たちは演劇の勉強のために20日間だけ付き合う。
だけど。
お互いに好きにはならない。
好きにはならないけど
彼氏彼女なんだ。
「…じゃ、続きを始めるぞ。これ終わったら課題デートな!」
そうだった。ツバサをからかって遊んでたけど私勉強中だった。
それにしても、黙々と手を動かし説明を続けるツバサ。
なんだか冷静になってみるとちょっと申し訳なくなってきた。
「ねぇ…。」
「な、なんだよ。」
「ツバサは、私と付き合うの嫌じゃないの?」
私なんてツバサみたいに頭良くないし、チビだし。
さっきなんて黙々と黒板に向かってたじゃない。
ツバサとは釣り合わないんじゃないかな?
「は?お前もしかして、さっきOK言ったの取り消すの?」
ツバサが声を荒げて壇上から私を見下す。
「…だ、だってツバサに迷惑かなぁ…なんて」
「何で?」
「ツ、ツバサにもしも好きな子がいたらその子にも悪いしさ~。」
「あぁ、大丈夫だよそれは。だから気にすんな。」
…だ、大丈夫って言われてもなぁ。