俺のこと好きになるの禁止だから!!
ちょびっとだけ
───
カーカーカー
外からカラスがなく声が聞こえる。
熱かった昼間が嘘のように冷たい風が流れていた。
外を見上げてみると、寂しげな夕焼け空がそこにあった。
「…もう、こんな時間!」
私は、時計の針を見て驚いた。
「ありがとツバサ。おかげでプリントほとんど分かったよ!!」
「…そっか。よかっな。」
そういうと、私はさっさと帰り支度をしはじめた。
「…わ、悪いな」
「え…?」
「…課題デート」
「…?」
「で、デートできなくてさ」
あぁ、そんなことか。
「ぷっ…。気にしなくてもいいよ。」
…だって理解力がない私が悪いんだもん。
「いや、完全に俺の計算ミスだ。唯の補習の時間考えてなかった。」
…ツバサ、ホントにマジメなんだね。
―ピンポンパンポン―
『校内にいる生徒のみなさん下校の時間です』
教室の天井についているスピーカーから流れる放送。
「あっ…」
二人は同時に天井を見上げた。