俺のこと好きになるの禁止だから!!



「『…帰らなきゃ』…だね?」




「『…帰らなきゃ』…だな…。」




ふと、彼方を見ると夕焼けがその顔に当たりなんだかすごく寂しそうに見えたんだ。




「お前、家の方向どっち?」



「え?に、西町だけど…。」



「そっか、俺、東町だ。」



…逆、だね。



「何?」



「いや、送っていこうって思ってさ。ほら、俺一応『彼氏』だろ?」



そっか、『彼氏』か。



「い、家の方向逆だからいいよ。」



「…そっか。」



私は笑顔で返すと、ツバサは元気なさそうだった。




「じゃ!」




…というツバサ。



それに反応し、



「あ、うん。またね。」



と返す私。



ツバサ、さっきまで見てた怒った顔とは明らかに違ってた。


すごく優しくてそれでいて悲しそう。



私は夕日に染まる彼の後ろ姿にドキドキしていた。


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