俺のこと好きになるの禁止だから!!
「それにしてもお前、先のこと考えなさすぎ」
見下されてるみたいに笑われた。
「うぅ…、気を付けます…」
「はいはい、ま、当てにしないけどな。」
なんか信用されてないっぽいし。
「おい、階段あるけど、ここ暗いから気をつけろよ」
…でも、こういう声掛けはするんだよなぁ…。
「何?」
「別にィ。」
優しいのか、優しくないのかわかんないよ。
「なぁ…唯?」
先に下りていた彼が声をかける。
「これって宿題デートに入ると思うか?」
一緒に帰るこの時間?
「そうだね…どうなんだろ?ツバサはどう思う?」
「ダメ、だろうな…」
なんか。
残念そうだけど…?
イヤなの?って聞くと
「別にぃ」
って笑ってた。
───校門───
「私、家、向こうの方向だから…」
「そっか。じゃあな」
そう言って後ろを向くツバサ。
…今日はありがと。プリントとか。
彼に聞こえるか聞こえないかの声で言った。
聞こえてたのかな?
こっちを振り返らずに手を振っている彼がそこにいた。
ちょびっとだけ
ほんのちょびっとだけだけど
彼と仲良くなれた気がしたんだ。