俺のこと好きになるの禁止だから!!
「…ちゃん大丈夫?落ち込んでるの?」
ようやくそばで声をかけていてくれたヒカリの声が耳に届いた。
親友の牧村光(マキムラ ヒカリ)。
美人でスタイルが良く、長い黒髪をした女の子。
中学の時からの仲良しの親友で彼女はとても面倒見が良い。中学の頃は演劇部に所属していて演劇関連の知識も豊富だ。バカな私にとって、とっても頼りになる存在。
他の人に自分の成績を聞かれないようにこっそりと、目の前に立っていた親友の牧村光に言ったんだ。
「実はさ…今の数学の成績、赤点…だったんだ…。」
前のテストの赤点が原因なのかな…。
「ホント!?唯ちゃん、夏休み無くなるじゃん!?」
「はぁ…そうなんだよね。絶望だよ。」
「まぁ、私も53点だったから、そんなに良くないけどね」
「…あっ…そう…」
「そうなんだよ!家に帰ったらお母さんからお説教だよ!」
はぁ…そうなんだ…
…知ってる?
ヒカリ。
ヒカリの数学Ⅰの得点…
私の国語の得点49点《最高得点》よりも高いんだよ?
「ヒカリィぃ…数学助けてよ。」
「ん~?。私もそんなに高くないし、先生に聞くのが一番だと思うけど?」
…そっか。そうだよねぇ。