俺のこと好きになるの禁止だから!!
「…ふぅ…白けたな。」
ぽつりと言うツバサ。
「俺、演技の練習も終わったし帰るわ…」
「え?も、もう?」
そういうと、そそくさと荷物を片付けて廊下に出て行ってしまった。
「…悪いことしちゃったかな?」
と、ヒカリ。
あ…戻ってきた。
「唯の演技は、まぁ、なんて言うかそのそれなりだったぞ!!」
…それなり?
「じゃ、また明日同じ時間な!台本の練習はラストだけにしておけよ!」
というと、今度こそ帰って行ってしまった。
「…ヒカリ、『それなり』って何?」
「あたしが分析するにィ~62点ってとこじゃないの?」
そっか…
褒められてるんだ?
私。
「素直じゃないなぁアイツ」
そんなヒカリの言葉も耳に入らず
今日していた演技の練習を考えていた。
「唯ちゃん?大丈夫?さっきからぼんやりしてるよ?」
大丈夫。
…大丈夫だけど、大丈夫じゃない。
私、いなくなったツバサが寝てた机をいつまでも見てる。
「ふぅ…」
まだ、ドキドキしている…
これって
演技のせい?
それとも…?