俺のこと好きになるの禁止だから!!




「…ふぅ…白けたな。」



ぽつりと言うツバサ。



「俺、演技の練習も終わったし帰るわ…」



「え?も、もう?」



そういうと、そそくさと荷物を片付けて廊下に出て行ってしまった。




「…悪いことしちゃったかな?」



と、ヒカリ。



あ…戻ってきた。




「唯の演技は、まぁ、なんて言うかそのそれなりだったぞ!!」



…それなり?



「じゃ、また明日同じ時間な!台本の練習はラストだけにしておけよ!」



というと、今度こそ帰って行ってしまった。




「…ヒカリ、『それなり』って何?」




「あたしが分析するにィ~62点ってとこじゃないの?」



そっか…




褒められてるんだ?




私。



「素直じゃないなぁアイツ」



そんなヒカリの言葉も耳に入らず


今日していた演技の練習を考えていた。



「唯ちゃん?大丈夫?さっきからぼんやりしてるよ?」



大丈夫。



…大丈夫だけど、大丈夫じゃない。



私、いなくなったツバサが寝てた机をいつまでも見てる。





「ふぅ…」





まだ、ドキドキしている…



これって



演技のせい?



それとも…?


< 68 / 201 >

この作品をシェア

pagetop