俺のこと好きになるの禁止だから!!
「あれ?唯ちゃん…これ…?」
ヒカリが何かを見つけたみたい。
「…あ、うそ」
ヒカリが手にしてる夏休みの課題帳らしき薄っぺらいノート。
ツバサが持ってた『特別課題帳』だ。
「それ、…私たちの『特別課題帳』なんだ。」
「マジ!?あの先生~やるね~」
「ほんと、最悪だよね~。」
「とか何とか言いながら、ホントは『王子様』と楽しんでるんでしょ?」
ヒカリはちょっと意地悪そうに言う。
「まーね。」
最近ちょっと楽しくなってきたんだ。
「ふ~ん?」
とか何とか言いながら課題帳をぺらぺらとめくるヒカリ。
そーいえば、それ中身見てないなぁ…。
「めくっても何にも書いてないんじゃない?デートしたら、スタンプ押すんだってさ~」
「へ~?でも、なんか書いてあるよ。」
「え”?」
私は、ヒカリが読んでいるそのページを覗き込んだ。
担任の声で私たちは自分の机のところに戻る。
―1日目 7月21日 18:45~19:00 校舎内教室付近にある階段横より1階に降る経路を用い、唯と一緒に帰った。―
―2日目 7月22日 13:00~16:00 教室にて唯と勉強。出来はそこそこだ。―
「…これ、何?」
「先生への報告書…かな…?スタンプはないみたいだけど…。」
「唯、なんか色気のある話とかしなかったの?」
「…あったような…なかったような…」
「これって…デート1回分ってことかなぁ…?今日で3回目ってことになるけど…?」
と、ヒカリ。なんだかつまらなそう。
はぁ…
ため息をつきながら顔を合わせた。
ツバサ、女の子といるだけってデートじゃないよぉ。