俺のこと好きになるの禁止だから!!
「今更だけど…。」
ツバサが左手を私に差し出す。
「…え?」
「これ、デートだからよろしく。」
横を向きながらぶっきらぼうに言った。
「…うん。」
私も、右手を出して手をつないだ。
外は昼過ぎってこともあってかとっても熱い。
でも、それ以上に右手に感じるそれはもっとあったかい。
それに頬もあったかい。
隣にいるツバサを全身で感じている気がしたんだ。
「なぁ?」
「へ?」
「俺ってそんなに嫌われてるのか?」
「…え!?何?いきなり?」
「いやさ、なんか『乙女クラッシャー』とかなんとか言われてるみたいなんだけど。」
あー……それ、ヒカリだ。
気にしてるんだ?
確かにそうかもね~
「私も最初ツバサはクラッシャーだって思った。」
「何だよそれ。」
だってそうでしょ?
理解がないし冷たいし
きついことばっかり言うし。
乙女クラッシャーそのものだよ。
「もうこの人は無理!!っね思ったんだよ。」
「そりゃ俺のセリフじゃね?お前逃げたじゃねーか!」
私の言い分に反論するツバサ。
「逃げたのは悪いとは思ってるよ。けど、最初のツバサはホントにやさしくなかったよ…」
最初はね…。
「でも、今は優しいなって思ってるよ。」
ほんとは、どうかわからないけど。
そう信じてやってもいいかな…って思ってるんだよ?