俺のこと好きになるの禁止だから!!
「俺、見たい映画コレなんだけどいいか?」
「うわぁ…」
そこは20年、30年前の映画を定期的に上映している町のレトロな映画館だった。
壁が少し剥げてはいるものの設備は綺麗に整えてあるようで入り口部分はすごくきれいに整頓されていた。
「今時珍しいね。」
「だろ?うちの爺さんが好きだったんだ。」
「そうなの?」
変に意識しないようにとにかく話す私。
「おじいさんによく連れてってもらったの?」
「あぁ。」
軽く笑いながら、私に言う。
「結構雰囲気いいんだ。」
「な、何がすごいの!?」
「入ればわかるさ。」
そう言ってるツバサがどこか寂しそうに見えた。
「行くぞ。」