俺のこと好きになるの禁止だから!!
「そっか。わかる気がするよ」
だってツバサ…。
「人間が嫌いだもんね!」
「んなことねーよ。だって俺お前のことは好…」
― ブーーーーーー ―
彼が、何かを言おうとしたとき映画館に流れていたCMが終わりを告げた。
「ま、いいから映画を楽しもうぜ。」
何かを言いかけてたけど、聞きたいような聞きたくないような。
「うん。じゃあまたあとで聞かせてね…。」
「あぁ…」
私たちは目の前に広がるスクリーンをずっと見ていた。
「唯、また後でな。」
耳元でツバサが言った。
「うん。」
声にならない声で返事をする私。
胸に手を当てると心臓がバクバクいっているのがわかる。
…また、後でか…。
冷たいな。
彼は、スクリーンをまっすぐ見つめている。
私の様子はわかってないみたい。
手をつないでいるツバサの手も気のせいか少し冷たいし。
…ツバサ、知ってる?
私はこの時を
ずっと大事にしてたいな…って
私、そう思ってるんだ。