俺のこと好きになるの禁止だから!!
パシャ───
「…?」
「ね?何か聞こえない?」
「何かって?」
なんていうか鈍い機械音。水たまりの音にしては低い音。それはまるでカメラのシャッターの音のような…?
「雨じゃないのか?」
さらに強くなる雨粒。あまりの雨の強さに私たちは近くの屋根に避難した。
「さっきまでは小降りだったのにね。」
2人で空を眺めているがやむ気配はない。
それは、まるでだだこねて大泣きしている子どものように見えた。
「なんか駄々っ子みたいに空が泣いてるように見えるね…。」
「そっか、それじゃ空は今の俺と同じだな…。」
空を眺めていたツバサが急に言いだす。
「…唯、今日帰りたいか?」
似つかわしくない言葉。
「何?それ?」
「俺は、お前を帰したくない。」
突然の言葉。
ツバサがそんなことを言うなんて……
「ななな何言ってるの……?」
「そのまんまの意味だ。」
言葉が見つからず、口ごもる。
「俺…今日は楽しかったよ。今日が終わるのがもったいない。」
フッて笑うツバサの顔を私はずっとずっと見つめていた。