シルティアの魔術師
ー瞬の、出来事だった。


突然私の周りに竜巻のような旋風が起こり、私に巻きつく木の弦をあっという間に切断してしまった。


木の弦が私から離れ、私の体は解放される。



ーやがて竜巻は止み、大木はまた、普通の木のように動かなくなった。



「…大丈夫?」


大木に目を奪われていた私の背後から声がかかる。


振り返ると、自分より2~3歳程年上の少女と、透明な羽根の生えた小さい女性がいた。
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