シルティアの魔術師
ー何故だろう。
この3年間、誰かに自分の事情を話した事などなかったのに。


何故か彼女には、話してしまった。


ーあの温もりが、私をそうさせたのだろうか?



「…ごめんなさい。あなたの事情が、あったのね…。」


一通り聞くと、彼女はポツリと呟いた。


それからしばらく、私達は無言で森の中を歩いていた。


ー森の中には、ただ2人の足音だけが響いていた。
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