シルティアの魔術師
私は、吸い寄せられるように黒き龍に近づいた。



ー答えは、既に決まっていた。



既に私の中で憎しみの炎は完全に燃え広がり、それを消す術など持ってはいなかった。



ーカタキヲトッテ…


もう一度、彼女の言葉が脳裏に蘇る。



ー私は龍の目の前までくると、ゆっくりとその手を伸ばした。
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