シルティアの魔術師
「……?」


不思議な事に予測していた衝撃はしばらく経っても私には訪れませんでした。


恐る恐る目を開けると、獣はいつの間にか私のいた場所を通り過ぎ、少し離れたところで翼を畳んで立っておりました。


…おかしいです。確かに受け身を取る寸前は私を襲おうとしていたのに、これはどういう事でしょう。


ーまさか、この体をすり抜けたとでもいうのでしょうか?
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