シルティアの魔術師
真実
パラパラパラ…


本のめくれる音が耳に静かに響き、閉じた瞳の外から淡い光が注ぎます。



ーゆっくりと目を開くと、そこは元の書庫でした。


古文書に目をやると、先程までめくれていたはずのその本は、1つの頁を開いたまま、その動きを止めていました。


古文書に近づき、その中身を覗くと、文字が浮かび上がっていた頁はまた全て白紙に戻っていました。


「もしかして…私は夢を見ていたのでしょうか?」


私は半信半疑ながらも古文書を元の場所に戻し、書庫を後にしました。
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